本書(*)は、チャールズ・ダーウィンが1859年に発表した科学書で、「自然淘汰(自然選択)」という仕組みによって、生物がどのように変化し、新しい種が生まれてきたのかを説明しています。
ダーウィンは多くの観察と証拠をもとに、すべての生物が共通の祖先を持ち、環境への適応によって進化してきたと主張しました。この考え方は、当時の常識を覆すもので、宗教的・社会的にも大きな議論を呼び起こしました。
しかしその後、科学界ではこの理論が受け入れられ、生物学の基盤となりました。ダーウィンは単なる仮説を述べたのではなく、観察・比較・論理の積み重ねで理論を展開しています。
チャールズ・ダーウィン(1809年〜1882年)は、イギリス出身の博物学者・生物学者です。
若い頃に医者の道を断念し、ケンブリッジ大学で自然科学を学んだ後、ビーグル号という船に乗って世界各地を探検しました。この航海で出会った南米やガラパゴス諸島の生き物たちが、彼の進化論の土台を築くことになりました。帰国後は長年にわたって研究と執筆を重ね、『種の起源』を発表します。
彼は自分の考えが社会に与える影響を十分に理解しており、そのため慎重に言葉を選びながら発表に至りました。生涯を通じて自然の観察と理論の構築に尽くした科学者です。