本書(*)は、孔子とその弟子たちの言行をまとめた書物であり、中国古代思想の中でも最も重要な儒教の基本典籍です。全20篇から成り、学びの姿勢、仁(思いやり)、礼(秩序)、孝(親への敬い)など、人としての生き方をめぐる教えが対話や逸話の形で収録されています。孔子は「学び続ける喜び」や「仁を実践することの大切さ」を強調し、弟子たちに自らを省みる姿勢を求めました。また、政治や社会についても「徳による統治」「信義を重んじること」を説き、権力や罰則だけに頼らない人間関係のあり方を示しています。本書は単なる知識の集積ではなく、日常の行いを通して人格を磨く実践哲学であり、現代に生きる私たちにも「どう生きるべきか」という普遍的な問いを投げかけ続けています。
孔子(紀元前551~479年)は春秋時代の思想家で、儒教の祖とされます。幼くして学問に励み、礼や音楽を通じて人格を養いました。成人後は多くの弟子を集め、身分を問わず教育を施したことは画期的でした。孔子は仁と礼を重視し、道徳による社会秩序の回復を願いました。政治的に大きな成功は得られなかったものの、その教えは弟子たちに受け継がれ、『論語』として後世に伝わり、中国や東アジアの文化・倫理の基盤となりました。