本書は、ジャン=ポール・サルトルが「実存主義は暗く、無責任な思想だ」という批判に答える形で、自らの思想をわかりやすく語った講演録です。中心にあるのは「実存は本質に先立つ」という考えです。人間は、あらかじめ決められた性格や運命を持って生まれるのではなく、自分の選択と行動によって自分をつくっていく存在だ、ということです。
サルトルは1905年生まれのフランスの哲学者・作家です。第二次世界大戦や占領下の経験を背景に、自由・責任・社会参加を強く考えました。彼にとって自由とは、好き勝手にすることではありません。選ぶ以上、その結果を引き受けることです。本書は、人生の意味を誰かに与えてもらうのではなく、自分の行動で形にしていく勇気を教えてくれる一冊です。

