本書(*)は、孫文が中国の近代化と国家建設のために示した思想をまとめた書です。三民主義とは、民族主義・民権主義・民生主義の三つを柱とします。民族主義は、外からの支配や分裂を克服し、国民として自立することを目指します。民権主義は、専制ではなく、国民が政治に参加できる制度を築く考えです。民生主義は、人々の暮らしを安定させ、貧富の差や土地・資本の問題に向き合う思想です。
著者の孫文は、清末から中華民国成立期に活躍した革命家・思想家です。西洋の政治制度や経済思想を学びながら、中国の現実に合う改革を模索しました。彼の思想は単なる政治理論ではなく、「国をどう立て直し、人々をどう幸せにするか」という実践的な問いから生まれています。本書の魅力は、国家・民主主義・生活の問題を一体として考える視野の広さにあります。

